TFLファッション×テックBLOG 『Fashion Diversities.』 Vol.1
〜数字で見るファッション業界〜
「アパレルはオワコンだ」
ファッション業界に進みたい、と思われている方はちょっと不安になってしまうような、そんな言葉がささやかれているファッション業界。
しかし、それは本当なのだろうか?本当に日本のファッションはオワコンなのか?
今回は、そうした日本のファッション業界の現状を数字でとらえてみた。
はたしてその数字の向こう側に見えるものとは?
■日本のファッション市場
14兆円(衣料・服飾雑貨)
18兆円(ファッション関連市場=衣類・服飾雑貨・美容品)
※国内マーケットの市場規模は世界第3位
1位=アメリカ合衆国 53兆円
2位=中国 46兆円
それぞれの国の人口も合わせて比較してみると、
アメリカ合衆国 53兆円 / 3億2689万人…162,631円(一人当たり年間)
中国 46兆円 / 13億9008万人…33,091円(一人当たり年間)
日本 18兆円 / 1億2675万人…142,011円(一人当たり年間)
これに加えて各国の物価や世代別の人口分布までを考えると、実は…
日本人はアメリカ・中国人より衣類をたくさん購入する
日本人はアメリカ・中国人より高額なファッション製品を購入する人の割合が多い?
■日本国内のファッションEC市場(BtoC向け)
・衣料・服飾雑貨(国内物販系EC市場で最大) =1.64兆円 (EC化率=11.5%)
内、スマートフォン比率≒50%強
・生活家電、AV 機器、PC・周辺機器等 =1.53兆円(EC化率=30.1%)
・食品、飲料、酒類 =1.56兆円(EC化率=2.4%)
・雑貨、家具、インテリア =1.48兆円(EC化率=20.4%)
・アメリカのファッションEC化率≒20%
・イギリスのファッションEC化率≒50%
世界的な方向性から見てもこれからますますEC販売が伸びるのは確実。
となると、それによって起こる変化は…
更に、店舗を持たずに販売できるということは、個人でのマーケット参入が…
まだまだ日本国内のECでの衣類販売は伸びる
EC販売のためのコーディネートサービスがもっと広がる?
ZOZOSUITに変わる採寸(サイズ)サービスが生まれる
アマゾンはこのマーケットを狙っている!?
ファッションはスマートフォン販売がまだまだ伸びる?
海外ECを活用する日本人が増える?
日本ブランドが海外に向けて販売を強化する?
■日本国内ECの現状
・1位 ZOZOTOWN(スタートトゥデイ)
年間流通金額=2700億円(国内EC市場シェア=16.5%)
※アメリカのECマーケットにおけるアマゾンのシェア≒43.5%(ファッション分野以外も含む)
・ZOZOTOWNでの取扱ブランド数
6700以上
・ZOZOTOWNでの1ブランド平均売上
4000万円
※アメリカAmazonのアパレル関連売上は約3兆円。
※プライム会員限定販売のPBの売上が、1ブランドで約11億円
ZOZOTOWNはまだまだ売上を伸ばす?
もしくはアマゾンがシェアを広げる?
■CtoC市場の現状
・ネットオークション市場
1.12兆円
・フリマアプリ市場
4800億円
ネットオークションは1999年から、フリマアプリが登場したのが2012年。
特に、フリマアプリに関してはわずか数年で市場が形成されているということは…
CtoCビジネスやサイドビジネスのチャンスがまだまだ広がる?
リユース・レンタルサービスが更に充実する!?
購入そのものが共同購入のようなシェアリングサービスに変化する!?
いかがだろうか?
これだけ景況感が悪いと言われている国内ファッション業界だが、意外にも市場そのもののポテンシャルはまだ衰えてはいない。
実は、今まで国内ファッション業界で大手アパレルや百貨店が創出していた売上のボリュームが分散されているだけ、あるいは、一部のファストファッションやECにちょっと目立つ規模で集約されているだけ、というのが実態ではないだろうか?
更に、国内市場だけでなく世界に目を向ければ、そこには300兆円ともいわれる巨大な市場が広がっている。
そしてそこには、新たなビジネスの可能性やブランド立ち上げの可能性、サイドビジネスの可能性が見え隠れしている。
アパレルは、ファッションは、決してオワコンなどではない。
なぜなら、誰だって「ダサい」格好で過ごしたくはないのだから。(笑)