新型コロナの影響でデジタル化が加速する!
TFLのある原宿はコロナ前のインバウンド喧騒が嘘のように鎮まっており、歩くことが大変だった歩道にも人がいない状況です。
原宿・竹下通り
新型コロナウィルスの影響はファッション業界にも暗い影を落としています。
過去には製造系アパレルトップの売り上げを誇ったレナウンが民事再生を申請したニュースは、大きな変革の予兆です。
竹下口・明治通り
デジタルトランスフォーメーションがなかなか進まなかったファッション産業が、新型コロナの影響で「デジタル変革 待ったなし」の状況に加速することになったことは皮肉なものです。
表参道
では、治療薬やワクチンが開発され緊急事態が収束した「after Coronavirus」のファッション産業はどのようになっているのでしょうか?
オンライン・オリエンテーションで指示した課題のレポートに受講生の考える未来の産業の姿が描かれていましたので紹介します。
受講前のレポートですが、ファッションに興味の高いコンシューマーの感性が凝縮されており、産業が対応すべき施作のアイデアが含まれています。
「課題」
日本のファッション市場では点数ベースで半数以上が売れ残り、廃棄されていると言われています。
その原因、要因をリサーチして、問題点を見つけ解決案を考える。
TFLではまだ授業を受けていない状況で目的を持ってリサーチをすることで様々な気づきがあり、今後の授業で学ぶべき意義・目的が俯瞰的に理解され、習得度やモチベーションの向上につながると考えています。
【受講生レポートから】
■消費意識の意識を変える
タイムレスな物を増やす。
「最新トレンド = おしゃれ」という価値観を変える。
上意下達型の学校教育や挑戦して失敗する人々を物笑いの種にする風潮の改善。
ブランドやクリエイションのストーリーを語ること(批判にさらされる可能性に自ら飛び込むこと)。
■デジタルで効率化を促進
各工程の徹底したデータ化、効率化。
ARで情報が出現するモノの販売。
特定の服を着ていることで参加できるバーチャルイベント
■製造・販売方法の革新
受注生産の普及。
適正な値段で販売
既製服から、少量生産でより個人向けのカスタム・メイドに。
個々人がデザインを行い衣服から部屋の家具、内装に至るまで1点から生産発注して個人に届けられる。
労働集約型 大量生産方法の見直し「持続可能な社会への貢献」と「企業としての成長」の追随
ネット限定発売や個数限定。
バーチャルで展示をし注文が入った数だけ発注。
セール品が売れ残ったらリネームして新しいブランド低価格でリセール、古着屋に売却など。
■企業体制の革新とビジョン・目的の再定義
サプライチェーンの透明性を高めテクノロジーを駆使した生産体制の再構築。
「自分たちの本当の顧客は誰なのか?」「商品のコンセプトをもっと自分たちの顧客目線で明確に。
ペストが流行った17世紀、18ヶ月間休学したニュートンは、この時期に万有引力の法則を発見して、以後
これを「創造的休暇」と呼んだそうだ。同様に今一度原点に戻り改めて決め直しリスタートを切る。
オンラインで実施される3Dモデリングの授業
TFLでは東京都緊急事態宣言に沿って5月末まで校舎を閉館にして、オリエンテーションと授業をオンラインで実施しています。「whereby」という会議システムを活用した双方向コミュニケーションの授業運営です。
緊急事態宣言を受けてすぐにオンライン対応ができた一番の理由は、TFLの入学条件に「ノートパソコンを持っていること」があったからです。
デジタル技術を使って「コロナウイルス」と共生していくことが続きます。
つまり、TFLのスクールコンセプトにもある「ファッション革命」を実現する時がきました。