TFLのスペシャル・ゼミ 「イマジン・ファッション(Imagine Fashion)ゼミ」
第2回目のゼミは、川崎和也講師のスぺキュラティブ・デザイン(Speculative Design)ワークショップ。
川崎和也講師は
デザインリサーチャー/スペキュラティヴ・ファッションデザイナー。バイオテクノロジーやウェアラブルテクノロジーに依拠しつつ、ファッションが持つ未来志向・思索的な創造性を探求する実践をおこなう研究者でもあります。
前回の福原志保講師に続いての第2回目のワークショップのテーマは「スぺキュラティブ・デザイン(Speculative Design)」。
イギリスの大学にルーツをもつ「スぺキュラティブ・デザイン(Speculative Design)」の考え方は、予定調和的な未来予測ではなく、未来に対しての問題提議、新たな視座からの未来のシナリオを提示して議論すること。
アメリカの大学にルーツをもつ問題解決型デザインの考え方である「デザイン思考(=design thinking)」とは対照的で興味深いワークソップになりました。
TFLでは、デジタルを活用し「ファッションデザイン」「ファッションビジネス」の未来を創造できる人材育成を目指して、この2つの対照的な「スペキュラティブ・デザイン」「デザイン・シンキング」双方の授業を実施している国内では他にないファッションスクールです。
ファッションデザイナーの役割が、”フォルム”や”シルエット”を作ることだけではなく、”売り方” ”生活提案”までに広がってきました。
従来、イラストを描くことでファッションデザイナーの役割を果たせていましたが、デザイナーの役割が生活提案まで広がった今、新しい「デザイン」の方法を学ぶ必要があります。
海外では「デザイン」を教育する大学がたくさんありますが、日本には「ファッッションデザイン」を学ぶ学校がなかった。
「スペキュラティブ・デザイン」は「クリティカル・デザイン」と言い換えられることもありますが、批評的視座、目の前を疑ってかかるアプローチです。
「スペキュラティブ・デザイン」の考え方のワークショップを実施しましょう。
「サイエンス・フィクション・プロトタイピング」というワークショップです。
SF作家のストーリーの発想方法に似ているものがあります。7つのステップで未来を描いていき、デザインに繋がるコンセプトを見つけていきます。
1主人公は誰?・2舞台はどこ?・3降りかかる問題は?・4どのように解決、失敗した?5ストーリーは良くなるか、悪くなるか?6人間にとってどのような意味を持つ?7終局はどのように?人間は何を学んだのか?
発想のポイントは、現状の延長線上に物事を考えないこと。
普段から自分の中で考えていることやものを未来に置き換えてストーリー・コンセプトを創造していきます。
受講生のアイデアをお互いに評価、共有します。
正解がない未来洞察ですので、気持ちを揺さぶるストーリーであることが大切です。
デザインは常に未来のことを提案します。その未来には正解がありません。また、人が思い描くことは全て未来で実現されるとも言われています。
TFLでは、多様な講師人による授業やワークショップを通じて、受講生とともに素晴らしいファッションの未来を思い描いて、実現していきたいと考えています。