『Imagine Fashionゼミ』vol.3~WOW 田崎佑樹氏 編 ~
第3回目を迎えました「イマジン・ファッション(Imagine Fashion)ゼミ」。
今回も世界トップのクリエイターにお越しいただき未来を創造するゼミを実施していただきます。
3人目のスペシャルな講師は田崎佑樹講師。
WOWコンセプター/クリエイティブディレクター・建築とアート&サイエンスプロジェクトを中心に活動。
海外でも活躍されるディレクターである田崎講師。
お持ちいただいた資料映像も印象的で創造性を掻き立てられます。
ファッションとテクノロジーの関係性を理解するためには、多様で複雑な「人と自然と技術とのかかわり」について、身体的、文化的、空間性におよぶ見方と考え方を持ち、理解を深めることが必要不可欠です。
20世紀型の企業は物質主義で「もの」「機能」をたくさん売ることで成功と評されて来ました。
しかし、21世紀に入り成功した企業は概念主義を持った企業に変わったのです。
GoogleやFacebook、Amazon、appleなどのグローバル企業は、ビジョンを具現化する為にサービスを作っています。今は『ビジョンで世界を作る』時代になったのです。
田崎さんのワークショップは、建築やデザインの領域で用いられているビジュアライゼーション手法を応用して、ビジョンを表現する手法を学んで行きます。
与えられたワークショプのテーマは「サイボーグ」。
自分自身がサイボーグになった時に、どうなりたいかを次回アイデアベースで発表します。
人はサイボーグと聞いて、
・テクノロジーに追われる恐怖感
・AIの知能を持つことで仕事が奪われる
・知能を身につけることで意思を持つ事への恐怖
などと言った恐怖心を与えるイメージを持っています。でもこれは考え方や捉え方で変わるのです。
サイボーグ実現を目指すMELTIN社のビジョンは”人と機械を融合させる”。
彼らの持つ生体信号処理とロボット機構制御で実現される「ハンド」は、人間と遜色ない繊細な動きとパワーを生み出します。現在のいわゆる「義手」は関節ごとにモーターを組み込んでいるのですが、これでは素早い動き・細かい動作・力の強さはトレードオフで、同時に実現することができません。またモーターなどが内蔵されている為どうしても厚くなったりするのです。
彼らの技術的ブレイクスルーは人間の構造と同じ腱(けん)からアイデアを得て、再現すべく、ワイヤーを腱の様に組み込んで使うことで、上記3つの要素を同時に再現しています。
また足を失ってしまった患者さんの足に擬似的な生体信号を送ることで筋肉を刺激し、運動させることも動ける事も可能です。
MELTIN社は世界一の性能を持つ「ハンド」から、始まり、最終的にはサイボーグ実現を目指しており、その構想は以下の3つの突破によって実現されます。
・空間的制約の突破
→自分の動きとシンクロしてくれる機械。論理的には地球の反対側からでも、タイムラグなしに機能することができる。
・身体的制約の突破
→手何本あってもいいじゃんという常識にとらわれない発想。今までは考えられない細かい作業や制限されている動きも更に可能に。
・意思疎通・意識の拡張
コミュニケーション方法の拡張。
サイボーグを通じて未来の「人のあり方」や「ビジョン」を考えるワークショップが進んで行きます。
次回の学生たちのアイデアをお楽しみに!