テーマは『エシカルファッション』!創造力を活用してブランド企画を生み出そう。
生産者も消費者もファッションを楽しむために
先日、グローバルブランドデビュー/ファッションデジタルデザイン専攻で、『創造力ワークショップ』がスタートしました。
この授業では、ファッション業界の根本的な問題点を探り出し、ニーズを見つけビジネスとしてブランドを企画立案していきます。
最終会では、企業様を審査員にお迎えし、各自エシカルファッション企画のプレゼンを行います。
担当講師はTOIRO取締役・久保雅子氏。
ABOUT:久保雅子
伊ブランドで企画・デザイン職に従事、帰国後国内大手アパレルでファッションデザインに携わる。その後、子供のデザイン教育をスタート。オーダーメイドブランド「CASA LEGARE」のデザイン他、アパレル&レザー製品を中心に各種ブランドデザインを行う。
近年では子供向けの創造力ワークショップなど盛んになってきましたね。
TFLでは、デザイナー・新しいビジネスを創業する者としての思考プロセスを身につけるために、創造力ワークショップを取り入れます。
創造力を活用することにより、今までにないビジネスモデルを創造できます。
創造力は目的ではなく新しいコト・モノを生み出す手段です。
その創造力のプロセスは大きく以下の4つの段階に分かれます。
①準備(感じること・何かに気づくこと)
↓
②インキュベーション(収集・熟考・編集)
何が必要か様々な問いをここでする
↓
③ひらめき(クリエイティブジャンプ・無意識・直感)
↓
④実施(問題の解決)
特にクリエイターやデザイナーは、インプット・アウトプットまですべきであり、 常に①準備②インキュベーションを繰り返しているから③のひらめきがあるのだとか。
これは一番大事な作業だそうです。
この授業でも受講生全員に発言してもらいます。
物事に 感じて(インプット)それを吐き出して(アウトプット)もらう作業を行います。
さて一体どのような企画が生まれるのでしょうか?
誰かの犠牲の上に成り立つファッション。
世界のアパレル企業売上トップ10の上位にはファストファッション企業が名を連ねています。
世界中で洋服が低価格で大量消費される現在、そのファストファッションの生産を支えるバングラディッシュの縫製工場が甚大な被害者を出した事故。
低価格の洋服を製造する縫製工場の劣悪な労働条件や建物の老朽化。
環境を破壊してまで農薬を撒きながら大量に安く生産される綿花。
ますます競争が激化するファストファッション市場。より安い価格で訴求するために、製造原価に関わる費用が圧迫されているとも言われています。
このような悲惨な生産背景も知らずに、私たちはファッションを作り出し楽しんでも良いのでしょうか?
創造力ワークショップ第1日目の授業では、この問題を取り上げた映画『ザ・トゥルー・コスト』http://unitedpeople.jp/truecost/aboutの鑑賞。
この映像から感じる、ファッション業界における本質的な課題発見をすることが目的です。
かなり心が痛くなる重い映像ですが、この事実の上で私たちはファッションを楽しんでいます。
『無知ということは罪 』という言葉がありますが、本当にその通り。
ファッション業界を目指す私たちはこれからどうすべきでしょうか?
いつもは賑やかなこのクラスも、珍しく静けさが。
鑑賞後に、一人一人感想を発表してもらいました。
元々ファストファッション企業で店長をしていた受講生の一人。
とても複雑な思いで映像を見ていました。
『ファストファッションで、ファッションを色んな人に楽しんでほしいという思いで従業員は頑張っていたが、この状況を踏まえてどうしていくのが一番いいのか。生産者・企業・消費者、この3つのつながりが全てWIN/WIN/WINとなる解決策をファッション業界全体でルールを考えなければいけないと思う。 』
また実家が工場という受講生。
『日本の工場の環境もいいとは言えないのに、海外なら尚更の状況だと思う。下請けという制度の問題点。ファッションはライフスタイルなのに、農薬で環境破壊をし不幸になる人がいたりと、全く幸せなことではない。もう資本主義の限界がきている。』
などなど、様々な意見・感想が飛び出ました。
ある一人の受講生は、映像を見ることで涙が溢れてしまったほど、感じていました。
皆さん、ビジネスの残酷さをかんじつつも次の課題や提案となる種を見つけることができた様子。
『エシカル』『トレーサビリティ』『サステナビリティ』
など、これからは、人と人の繋がりを考え、美しさの定義やファッションの関わり方を考えることが必要になってきそうです。
次回は、エシカルファッションについてリサーチ結果を踏まえてチームに分かれ実際に企画を考えていきます!
この創造力ワークショップの体験授業も行なっています。
詳細はコチラ>>http://tfl.tokyo/event_musebook/
デザイナーとして活躍したい方、ぜひ体験して見てくださいね。