「サステナブル」という言葉が一般化した現在、ファッション業界でも環境配慮を打ち出すブランドが増えています。しかし、その実態や判断基準は分かりにくく、「本当に持続可能なのか」という疑問が残ります。
そうした中、環境に配慮しているように見せながら、実際には一部の取り組みだけを強調し、ブランド全体をエコに見せる「グリーンウォッシング」といった問題も出てきています。
企業はサプライチェーンを環境配慮型に改革するためにコスト増に直面しており、そのすべてを吸収できない中で、部分的な取り組みを強調するケースが生まれています。
実際に、一部のエコラインだけでブランド全体を「持続可能」と印象づける動きが問題視されるケースが発生しています。※
ここで重要なのは、「部分的な善」が全体の正しさを保証するわけではないという点です。
※出典:Renewable Matter「sustainable fashion: H&M is being sued for greenwashing」https://www.renewablematter.eu/en/unsustainable-fashion-h-and-m-is-being-sued-for-greenwashing?utm_source=chatgpt.com
出典:One Green Thing「Greenwashing: Fashion’s Favorite Secret」https://www.onegreenthing.org/post/greenwashing-fashion-s-favorite-secret?utm_source=chatgpt.com
消費者はこうした現状にどう向き合うべきでしょうか。その鍵は「情報の深さ」にあります。
キャッチコピーだけでなく、具体的な数値や製造プロセスの開示、第三者認証の有無など、検証可能な情報に目を向けることが重要です。
同時に、グリーンウォッシングは企業だけの問題ではなく、消費者の「安さ」や「トレンド性」といった期待が生み出しているという側面があることも事実です。
この問題はある意味「サステナブル」であろうとする企業と、市場の関係性、その構造自体が抱える問題でもあります。
サステナブルな取り組みは企業だけでなく、消費者にとっても無理のないものでなければ続きません。大切なのは「完璧な正しさ」を求めることではなく、より良い選択を積み重ね、今はまだない正解をつくる「創造力」です。そしてその前提として、何が問題なのかを「見抜く力」が問われています。
グリーンウォッシングという言葉で片付けるのは簡単ですが、そこで思考停止してしまえば、持続可能性を止めることになってしまいます。
「サステナブル」という言葉が氾濫する今、ファッションはどうあるべきか。
サステナブルとは何を持続させるのか。その答えは一つではありません。
だからこそ、私たち一人ひとりが情報を見極め、自分なりの基準で選択することが求められています。
あなたが選んだ「サステナブル」商品は、どの情報に基づいて判断されていますか?
そしてその選択は、本当に環境負荷を下げる行動につながっていますか?
執筆:木内 潤一