AIやデジタル技術は、ファッション業界に大きな変化をもたらしています。デザインや需要予測、在庫管理、マーケティングまで幅広い業務が効率化され、新しい表現やビジネスの可能性も広がっています。
しかし、テクノロジーは決して中立ではありません。使い方次第で社会を豊かにすることもあれば、新たな課題を生み出すこともあります。
例えば、私たちが利用するサービスでは、多くの場合、利用規約を十分に読まないまま「同意する」を押しています。その中には、個人データの利用やAIの学習への活用が含まれていることもあります。便利さの裏側で、自分の情報がどのように使われているのかを知ることは、これからますます重要になるでしょう。
また、AIは仕事を効率化する一方で、新しいスキルを学び続けることも求めます。AIが出した結果を判断し、最終的な責任を負うのは人間です。技術が進歩するほど、人間の役割も変化していきます。
さらに、AIは学習したデータの偏りをそのまま反映してしまうことがあります。その結果、多様な価値観や文化が見えにくくなり、新しい発想が生まれにくくなる可能性もあります。
だからこそ、これから必要なのは、「何ができるか」ではなく、「何をすべきか」を考える視点です。これがテクノロジー倫理の考え方です。
ファッションは、人や社会、文化と深く関わる産業です。AIを活用する時代だからこそ、効率だけではなく、人や社会への影響まで考えた責任あるものづくりが求められています。
技術を使いこなすことよりも、その技術を「誰のために、何のために使うのか」を問い続けることが、これからのクリエイターにとって最も大切な力になるのではないでしょうか。
あなたが使うテクノロジーは、どのような未来を生み出していますか?
そして、その技術は本当に、人や社会をより豊かにするために使われているでしょうか?
執筆:木内 潤一